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ここ数年、食品メーカーや自動車メーカー等で欠陥品を出したり、その時の対応がまずかったりで企業ブランドを失墜させる例が後を絶ちません。製品やサービスに直接関係しなくても、経理や情報管理等の社内プロセスの問題が露呈することもあります。何れにせよ、一つ間違えば、トップブランドが一夜にして消滅の危機に立たされるということはいつでも起こり得るのです。
不幸にして(とは限りませんが)、そのようなリスクが現実化し失墜してしまったブランドを何とか再生しようとする場合、まず傷の深さ、原因の深さを客観的に見極めることが重要です。種々の出来事が重なった偶然なのか、管理が甘く一定の範囲を超えると出てきてしまう問題なのか、病根が深く一つの原因には特定できない程組織的/構造的な問題なのか、などによって対策は当然変わってきます。
問題は原因が深い場合、自らの探索や自浄作用だけでは及ばないことがあることです。小手先の対策でブランド再生がなされるということはなく、経営の建て直しと考えた方が適切な場合が多いでしょう。この場合、ブランドの実体(ブランド関連用語参照)が問題なのですから、実体の修正に手をつけずして、コミュニケーションだけに偏った対策では効果が期待できません。トップ自身のあり方も含めて、相当ドラステックな対策が必要となり、社内的には痛みを伴った、組織文化の変容を迫る改革となります。
事件や事故によらずして、長期的に低迷しているブランドを再生する場合も同様です。歴史的に見ても、世界的に見ても、ハーレー・ダビッドソン等、コーポレートブランドの再生はほとんどが地道な内部改革の蓄積によるものです。ブランドの再生に妙手はなく、生き残りを賭けた経営改革の粛々とした実行そのものがブランディングとなるのです。正に、ブランド経営をゼロからやり直すと言うことに等しいのです。
こういったことを未然に防ぐためには、所謂ブランドのリスクマネジメントの考え方が必要になってきますが、その基本はブランドのリスク特性を理解することにあります。ブランドのリスクは社内に存在することが圧倒的に多いのです。そして、トップブランドになればなるほど、そのリスクは高いレベルで管理されなければならないと言えます。従って、他社のやり方は全く参考以上のものではなく、自社の実態に即して基本的なことから考え始めなければなりません。
しかし、企業規模が大きくなりすぎた今日、トップは勿論、誰もが会社の実態を十分に把握し切れないという問題に直面します。この問題に対処するためには、発想の転換が必要です。即ち、多少の誤りは起こりえるとして、その影響範囲が小さいレベルに抑えると言う考え方です。そのためには、何か起こったときの会社の考え方や対応を定めたクライシスマネジメントのマニュアルの整備が有効です。また、現場の自浄作用を強化するため、評価制度やマネジメントプロセスの再検討も必要になるかも知れません。更に、欧米の一流企業では、社内的な内部告発を奨励するような仕組みも一般的になってきています。
ブランド再生のための実体改善の努力を積み重ねながら、こう言ったリスクマネジマントの仕組みもブランドの考え方に盛り込みたいものです。
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