インターナルブランドやインターナルブランディングには、社員にブランドの考え方を体現してもらうという面と、社員をステークホルダー(ブランド関連用語参照)として満足度や求心力をどのように高めるかという面があります。この二つの面は表裏一体の関係にあって密接に繋がっているため、よく混同して論じられますが、実際に為す対策はかなり違っており、注意が必要です。

まず、社員にブランドの精神を体現してもらうためには、ブランドガイドラインマニュアルやブランドブック/CD/ウェブサイトと言った伝えるための道具立てと、セミナー、イベント、キャラバンと言った実際に伝えるための活動が必要になってきます。会社統合の際や新しくブランドプロミスを制定した際には、大きな費用をかけてイベント行うことも多く、従来インターナルブランディングと言えばそのようなことを行うことと喧伝されてきたきらいがあります。しかし、ヴィブランドは、そのようなことが大事な場合もありますが、むしろ評価制度やマネジメントプロセス等、社員にブランドを体現してもらうことを組織に定着させるための仕組み造りの方が本質的に重要だと考えています。

そのような意味でこそ、もう一方のインターナルブランディングである、社員の満足度向上とのつながりも明確になってきます。しかし、ここでも従来の社員満足度向上(ES: Employee Satisfaction)との違いを強調するためにブランドが何か特別な力を発揮すると考えるのは誤りです。社員に会社を積極的に選択し続けてもらうために何が必要かを考えると言う意味では、従来の社員満足度向上と基本は全く同じです。しかし、組織が大規模になってコミュニケーションの効率が悪くなり、実体面の統一も難しくなってしまったために、ブランドの考え方の方が比較的分かり易いにもかかわらず統合的な効果が出やすいという今日的側面に着目すべきなのです。

しかし、大企業におけるコミュニケーションの難しさが背景にあるからと言って、インターナルブランディングはコミュニケーション対策だとするのは誤りです。学生はイメージベースで判断するところがありますが、社員は基本的に体験情報を多く持っており、ブランドの実体(ブランド関連用語参照)が伴わずしてインターナルブランディングの効果は期待できません。従って、この意味でのインターナルブランディングは、多くの場合、人事制度やマネジメントのあり方等、経営あるいは社内の現状の改善に関係してくることになります。(そういう実体面の整っている企業は別ですが。)

社員にブランドの精神を体現してもらう、社員をステークホルダーとしてブランディングする、インターナルブランディングのどちらの意味においても、トップの関与や姿勢が最も重要な要素となります。これがない状態では、まず成功はおぼつかないでしょう。最近、企業(グループ)規模の拡大に加えて、生産ラインでも派遣の活用が可能になる等、雇用形態の多様化も進んでおり、組織の統一性や求心力の確保は益益難しくなっています。そのような組織の隅々にまでトップの意思を浸透させるための有効な手段がインターナルブランディングであると言えます。

このようにインターナルブランドやインターナルブランディングについては、その本質と経営全般の状態を十分見極めた上で、適用方法や期待効果を考えていく必要があります。


参考:サービスの概要/インターナルブランディング

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