欧米のグローバル企業では長年M&Aを繰り返しながら各国でオペレーションしてきた経験から、グローバル規模で統一したグローバルブランドから、その国や地域でしか使わないローカルブランドまで、ブランド発展・獲得の経緯や製品・市場の特性に応じて多数のブランドを使い分けるやり方を確立させてきました。保有する数多くのブランドを世界戦略と地域戦略に乗せるものに分け、更に夫々二つ、合計四つの階層に分類した上で組み合わせて使用しているネスレの例が有名です。多くのブランドを包含する、大規模なブランド体系の問題とも言えますが、業種特性等も大きく影響し、個々にはかなり違った様相を呈します。

一方、B2Cビジネスを持たないB2B企業においても、グローバルに拡がったグループ企業の求心力や相乗効果を高めるために、いわばインターナルブランディンググループブランディングとしてのグローバルブランディングの必要も高まってきました。

多くの日本企業にとって、グローバルブランディングの本格的な取り組みはこれからの課題と言えますが、現実にはグローバル化やM&Aの進展により市場・顧客やブランドの多様化が進んだために、既に様々な問題が出てきます。例えば、各国毎にかさむ広告宣伝費や売り上げ額の割に低い認知度等、グループの一体感の欠如等です。また、グローバルブランディングを進めようにも、その基本的考え方や実行のためのガイドラインが欠如している等の問題もあります。要するにビジネス展開が先行したために取り残されてきた問題なのです。まずブランディングを統制していくためのインフラとして、考え方、プロセス、道具立てを整備することから始めなければなりません。

欧米企業においてもグローバルブランディングが発達してきたのは、世界規模でのブランディングの効果性と同時に効率性(コスト節減)の向上を求めてきたからです。これらの理由あるいは期待は、英語を中心とした言語・文化圏や欧米のグローバル企業が主として活躍する市場の共通性によるところが大きいため、日本企業が実際にグローバルブランディングを行っていく際には注意や工夫が必要です。例えば、Made in Japanという国のブランドとの明示的/黙示的関係にも留意する必要があるかも知れません。企業/事業/製品ブランドとJapanブランドの意味的な相互関係によって具体的な訴求の仕方も変わってくるからです。

日本企業は、ビジネスの実体面が先行しているとすれば、逆にグローバルブランディングの潜在的効果は大きいと言えるかも知れません。例えば、ニッチであっても世界的シェアを獲得しているような部品メーカーが日本には多く存在していますが、もう少し自己主張をうまくやる余地がありそうです。こうしたグローバルブランディングの効果はインターナルブランディングにも大きく奏功すると考えられます。

参考:B2Bブランド/ブランディング

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